001 従妹についていた銅盤のおじさんのお話

小さい頃から年に数回、実家のある東京に従妹家族が泊まりに来ます。

そんな従妹が今から数年前の春頃、東京にある大学に通う為に、実家で一緒に暮らすことになりました。

そしてある時、「私の後ろには何がついているのかな?」と聞いてきたことから、このお話は始まります。 (「ついている」についての説明は、後々更新します。)

 

人についているものを視る時には、チャンネルを合わせる(一瞬の集中)ような形で意識を飛ばします。

その際、「私の従妹の〇〇に、何かついている子いる〜?いたら、出てきて〜。」や、「今まで一緒についてきたけど、卒業した子(一抜けした)がいたら、それも教えて。」など、その人の周りの空間(細かく言うと時空)に問いかけます。

 

すると数秒経たないうちに姿が視えはじめ、声が聴こえて、動いたり喋ったり、その「何か」の主張がはじまります。

今まで私は従妹をはじめ、共に暮らす家族に何が付いているのか特に意識しておらず、チャンネルを合わせたことがなかったので、私にとっても初めての対面となりました。

 

チャンネルを合わせて間もなく、従姉妹の右後ろあたりから、

 

「オレ、オレ、オレだよ!!」

 

という、感動と喜びに満ちた男性の声が聴こえました。

最初は、遠くの方から聴こえたその声は、だんだん近づいてきて、最終的には従妹の真後ろから聴こえました。

そして、次元がぼやけるようにして、従妹の後ろからそれは姿を現しました。

 

そこには、165cm位の、10円玉そっくりな銅色の円盤が、縦に垂直に立っていました。

その銅盤には手足が生えていて、強調的な白い手袋、黄色めの靴を履いており、手足に限定すると某ネズミを想像させます。

思わず「え、10円!?」とつぶやくと、即座にその"10円玉"に「硬貨じゃねぇ!」と激怒されました。

 

▼喜びながら走って出てくる銅盤の図

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ただ、怒りつつも、その銅色の円盤は、ようやく従姉妹が自分について気づいてくれたこと、存在を認めてくれたことについて、存在しない目から涙を流しながら喜んでいました。

その時私は「銅盤って、泣くんだ...」という、謎の冷静な視点で、興奮気味の彼を眺めていました。

 

とりあえず、わくわくした目で見つめる従妹に視たままのことを伝えました。

「え?円盤??ど、どういうこと?」まあ、当然の反応です。

「年齢は、30代半ばで、綺麗なグラスに入ったお酒が好き、銅盤だけど心が綺麗。

 昭和初期生まれのおじさん。」ひとまず、銅盤から聴いたことを補足しました。

「え、おじさん?!」

「怪しくない。あなたのことを、照れで”こいつ”と呼ぶ。」

「こいつ?!失礼じゃない??」

「でも、私は”お前”って呼ばれてる。」

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至って一般的な感覚の持ち主の従妹としては、

先祖の霊や守護霊がついているわけでもなく、

そもそも人間ではない何かがついていること自体に、

驚きと困惑を隠せない様子でした。

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そして、チャンネルを合わせたその日を境に、

私にはこんな感じで従妹の生活が視えていました。

 

▼「オレもやればもっと理解が進むかもしれない」というけなげな思いから、夜遅くまで勉強する従妹の隣で一緒に勉強する銅盤

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▼従妹の誕生日には、顔が見えなくなるほど大きな花束を用意してお祝いしていました。(もちろん、従妹には視えていません)

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▼送り迎えももちろんする。車や変な男からがっしりガード。

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一緒に生活するうちに、だんだんと銅盤の性格や挙動がわかってきました。

銅盤は一言でいうと、「熱血で、涙もろく、そして何より一途に従妹を一番に想っている男」でした。

彼の人生の優先順位はいつも従妹が上位を占めていて、常日頃から「こいつが、こいつが...」と従妹の話をしています。言葉尻はすこし荒いところがありますが、彼が言う「こいつ」には、いつも従妹への愛があふれていました。

 

そんな銅盤の話をするうちに、最初は困惑していた従妹も、だんだんと「今日銅盤なにしてる?」と聞いてくるようになり、愛着を持ち始めたようでした。

 

この銅盤は、最初にチャンネルを合わせた5年前から現在もなお、従妹のそばに寄り添い、共に成長しながら生活しています。

 

こういった存在がいるかどうか、信じるかはあなた次第ですが、これらは私の日常では本当に起こっていることです。

あなたにも、何か不思議な、そしてあなたのことを一番に想っている「何か」がついているかもしれませんね。

 

                                            Mari.